2005年05月28日

ネットパーソナリティーとピエロとサーカス

まず大前提として、
1.ネットは情報消費社会であり、数あるブログでも日々様々な情報が消費されている
2.メディアにタレントが、ラジオにパーソナリティが存在するように
 ネット上にもブログタレント、ネットパーソナリティが存在する。
3.メディア上でタレント、パーソナリティが日々消費されていくように
 多くのネット住人が意図的に、あるいは無意識にネット上のタレント、パーソナリティを日々消費している。

という3つのネット上の情報が消費される際の特徴を示す。
つまりネット上のタレントやパーソナリティも多くの人間にとっては単なる消費物に過ぎない。
ネット上で情報を発信している者は、当人の自覚の有る無しに関わらず
皆ある日突然消費者に使い捨てられる可能性のあるタレント、パーソナリティなのである。 
 
 
このような情報のやりとりの型はどちらかと言うと旧来メディアの一方向の情報の流れに近く
双方向性を特徴とするネットにはそぐわないかのように思われるが、
この双方向性の存在がかえってネット上のタレント、パーソナリティの消費速度を早めている。

ネット上のパーソナリティが使い捨てられる最も極端かつ分かりやすい例が『炎上』だ。
ブログの炎上に関する一考察


◆ネットピエロ(道化師)とサーカス(祭り)と

―ピエロの芸はお好きですか?―

世の中には、当人は至って普通に行動しているつもりなのだが
周囲から見ると滑稽なピエロにしか見えない人達がいる。
大人になるまでに人生に必要な大事な物を学ばないまま忘れてきた気の毒な人たちだ。
実社会で普通に暮らしているだけなら周囲の人間からこっそり笑われる程度で済むが
彼等がネットで発言しようなどと考えようものなら困ったことになるかも知れない。
ネット上では『こんな変なヤツがいるよ』と大勢の前で晒され、笑いものになることもあり得るからだ。

大抵の炎上の場合もこの『笑い』と言う要素は重要な位置を占めている。
野次馬の多くは『こんな馬鹿なことを言っているヤツがいる』という笑いを求めて
炎上現場にやってくるからだ。
ちょうど漫才を見るように、サーカスでピエロの芸を見るように…
そう、炎上ブロガーの見物人からの扱いは、ピエロや漫才師に対するそれと同じなのだ。


この『サーカス』という見方は『炎上』の一側面を実に的確に捉えている。
まず誰かが変な事を言っているブログを見つける。
するとそこにわらわらと人が寄って来てブロガー主演の滑稽な劇が幕を開ける。
テントの中では観客とともにピエロを突付き回して滑稽な反応を取らせる者がいる。
テントの外ではサーカスの興行を大声で触れ回る者もいる。
炎上ブログはあっという間にサーカス会場に早変わりというわけだ。
特に示し合わせることも無くこのような分業が素早くなされるのは実に驚異的としか言い様が無い。
この『サーカス』の興行の際にピエロをピエロたらしめる腕のいい演出家(プロデューサー)が存在すると炎上の火力は何倍にも増し、笑いもそれだけ大きくなる。
そしてあっという間に一人のネットパーソナリティをピエロとして消費する。


いつからこのような流れができたかと言うと『しがない記者』以降としか思えない。
あの時私が、そしてちゆ嬢が書いた記事は物凄い反響を呼んだ。
コミカルに、笑いを誘うように計算された記事は「ブログ炎上」と言う一つの流行を生み出し
それ以降明らかに他ブログをネタに喜劇を演出する記事が量産されて行き、炎上するブログが続発した。
ブロガーとコメンターのガチのバトルという意味での炎上ならこれ以前もたくさんあったが、ブログ炎上それ自体をネタとして楽しむ風潮はここからだろう。


そういった意味でブログ炎上の流行は私にも原因の一端があるともいえる。
だがそれを「後悔しているか」とか「反省しているか」と聞かれるならば私の答えは「いいえ」だ。
「お前の所だっていつ燃えるか分からないんだぞ」と言われるなら
「そんなことは百も承知。燃えるならそれもまた一興。」と返すだろう。
他所様の炎上を取り上げておきながら自分が炎上する可能性に思い及ばない人間がいるとしたら、
想像力に欠陥があるとしかいいようが無い。
というか実際に炎上を扱っておきながら自身の炎上を避けられなかった人が結構いるわけだが。

性格やイズム、イデオロギーが思考、行動に与える影響の観察対象として「炎上」は実に興味深い。
これは燃える側、燃やす側両方に言える事だ。
最近はブログ炎上を考察するブログ記事も増えているが、大抵は「燃える側」か「燃やす側」のどちらかに偏った立場から見たものであり、
炎上という現象を包括的に捉えた良記事は意外と少ないのが現状だ。



さて、話は変わって2月からずっと炎上を続けている小倉弁護士だが
とうとう常設会場まで出来てしまったようだ。
彼はこのままピエロとして情報社会の片隅で消費されてしまうのか?
それとも常人には想像もつかない離れ業でこの窮地を脱することに成功するのだろうか?


<06/03/24加筆修正>
posted by 黒影 at 23:43| Comment(2) | TrackBack(2) | ネット雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>いつからこのような流れができたかと言うと『しがない記者』以降としか思えない。

いえいえ、何年も前から・・・きっとパソコン創世記からあるんだと思いますよ。『祭り』という『炎上』は。

しがない記者の直前にも地方TV記者がサーカスしていましたし。
Posted by JSF at 2005年05月29日 12:39
>JSFさん
そうですね。
しがない記者以前もブログの炎上はいくつも起こっていますし
単に炎上というくくりで見たならブログ以前まで容易に遡れると思います。

ただブログ界で「ブログ炎上」というカテゴリが大きく取り上げられるようになったのは「しがない記者」以降だったと考えています。
Posted by 黒影 at 2005年05月29日 22:50
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ネットパーソナリティーとピエロとサーカスという黒影さんのエントリを読んで
Excerpt: 一部分が、ちょっと気になったため、ここで疑問を呈してみたい。 ちなみにそのエントリはここ いつからこのような流れができたかと言うと『しがない記者』以降としか思えない。 ここ。 JSFさんも指摘し..
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